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「渇!」1-震災の中の政治家- [政治家の姿]

-東日本巨大地震①-

十勝沖地震を体験したことのある私は、この揺れが普通の揺れでないことを一瞬にして理解できた!!!
理解できたと言うより、瞬間的に十勝沖地震の恐怖を体が覚えていたと言うことなのだろう。・・・

3月11日、私は秋葉原の古いビルのエスカレーターを上っていた。
2時46分・・・ビルを襲ったその揺れは一瞬で周りをパニックに陥れた。・・・
天井の一部分が落ちてきた!
電球らしき物も落ちてきた。
店員は「落ちついて下さーい!」と言いながら店員自身がパニくっている。

エスカレーターの客は塞ぎ込み、下に見えるフロアーの客は右往左往している。・・・・

<倒潰するかもしれない>頭を過ぎった。・・

このビルがかなり古いことは知っていた。
<もし倒潰する場合、地震発生から崩れるまでに30秒前後だろう。>
立っていられないくらい揺れる中を、体はエスカレーターを逆走していた。・・・
今でも、その時どのようにして外に脱出したかは覚えていない。
ただ、1分は掛かっていなかった。1フロアーを3歩くらいのスピードで降りてきたらしい。・・・<6階から・・・!?>

スパイダーマンのように降りてきた私は、1階入り口に着いて驚いた。・・・
人で入り口が塞がれているのだ!。・・・
その人壁を掻き分け外に出ると、中央通りの道路の真ん中、両側のビルの壁際に人が集中している。?
道路の真ん中は、「両側のビルが倒潰したら・・」と言う恐怖心から人が集まった事は理解できる。
しかし、ビルの壁際に人が集まる心理が分からない?・・・<ガラスや落下物が直撃するかもしれないのだ>

<まだ揺れている・・・強い余震が来るかもしれない。・・・>

私は叫んだ!「早く非難しきゃ駄目だ!」・・・・!!!。
その時、4階建てのビルの看板が落ちてきた!。   ・・・・・「ガシャーン!・・・・。」

偶然人がいなかった。・・・
「早く非難するんだー!」

しかし、驚きことにその道路の真ん中に集まる若者たちは・・・・揺れる高層ビルの写メを撮るのに必至!・・・
よく見ると笑っている。

「すげーよ!」、「こんなの体験できないぜ!」、「メッチャ感激ー!」、・・・・・・・・・・

私は再び叫んだ、「何やってんだお前らー!、避難するんだー!」・・・・

目の前のコスプレっぽい服装の女の子が言った、 「死なないもんねー!バーカ。」・・・・

<この国はどうなってんだ。>・・・・・

また向かいのビルの上から何かが落ちてきた。
外に出ていた店員が叫んでいる。「危ないでーす。ここは通らないで下さ~い。」・・・・
ビルとビルの間の消火栓のしたの地面にひびが入り水が出ている。・・・

私は我に戻り、このビルの谷間(道路の真ん中)にいる状況はまずいと思い、咄嗟に思い出した近くの空き地に避難することを選択した。・・・

避難途中も揺れていた。
<どこで発生したのだろう?>
携帯のワンセグを見た。<宮城県沖>・・・・・
<友人がいる。>・・・・・・即電話したが繋がらない。
メールしてみた。   ・・・・  ・・・・  ・・・・  「送信できた!」
2、3分して返信が来た。  ・・・・<大丈夫だ。家族も無事>
安心した。・・・・・・ところで<俺は帰れるのか?>・・・

まだ揺れている。・・・・十勝沖地震のときは10時間後くらい経過して大きな余震がきた。
今回も来るかもしれない。・・・

揺れが少しづつ収まってきた中で、私の体は無意識に秋葉原駅に向かっていた。・・・
駅前には凄い人溜まりが出来ていた。
駅案内スピーカーから終日運休の声が聞こえる。・・・「やっぱり駄目か。」
千葉に徒歩で帰る気にはなれない。・・・カプセルかビジネスに宿泊する思いで両国駅を目指して歩き出した。
しかし、途中のビジネスホテルも入り口に「満室」の表示が・・・

「こりゃ両国のホテルも無理だな。」と思いながらも歩いた。・・・
やっと到着して次々にビジネスホテルを覗いたがラッキーは無かった。
駅でトイレを借りようと向かった。
駅に人は殆どいない。・・・・・
駅員にトイレを貸して欲しい事を告げ、ついでに「バスは出てますか」と言うと・・
「新小岩まででてますよ。」

んん~、・・・・<とりあえず新小岩まで行ってみるか>
バス停に向かった。・・・

うわっ!30人以上並んでいるな。・・・・時計は18時10分。
長期戦になると判断して、バス停横のコンビニで食料を調達することにした。
しかし、コンビニに弁当やパンは一切無かった。
とにかく水、アリナミンVドリンク、スィートポテト、串揚げチキン、スナック菓子を買い長蛇の列に並んだ。・・・

バスは来ない。・・・
その日は特に風もあり寒さが体に沁みてきた。・・・時計は20時を回っている。
<この寒さは並んでいる高齢者にはきついな>

道路の向かい側から3人大きな箱を持って近寄ってくる???・・・・・

「みなさん、スープです。良かったら飲んでください。」・・・・

見ると「玉子スープ」だった。・・・
全員が驚いていた。たぶん「何故?」と言う思いがあったのだろう。・・・
全員に配り終わると「頑張ってください。」と言って道路の向かい側にある中華料理店「香港楼」に戻っていった。
全員がその店主の心に感謝した。
<この暖かいスープの味は一生忘れないだろう>・・・・
中国人なのだと思うが、東京に来て初めて人の思いやりに出会った気がした。・・・

21時40分、バスが来た。
寒さに耐えられなくなった人が列を離れ、列は60人くらいに減っていた。
ぎゅうぎゅう詰めで全員が乗れた。
寒さで苛立っていた一人が、「このバスの後に何台来るんだい?」

運転手は「これが最終です。」・・・・
「ふざけるなよ。何時間待ってると思ってんだよ!」
「すみません。私に言われても会社が決めたことですから。・・・・」

確かに運転手に言っても仕方がない。・・・全員沈黙した。
運転手はギアーを入れ発進した。「これより、新小岩に向かいますが交通渋滞により錦糸町まで2時間以上かかると思われます。ですので新小岩到着は現在予想がつきませんのでご了承下さい。」
・・・・・・。<歩いて錦糸町に行ったほうが早いな。・・・・>

23時30分、バスは両国駅から両国本所警察署の前の京葉道路にいた。
たった200m進むのに2時間近くかかっている。
バス内はぎゅうぎゅう詰めの中、熱気で息苦しく、うずくまれず意識が薄れる人まで見える。・・・

私は携帯を何とか取り出し、メールを確認する。・・・
家族からのメール、「今どこにいる?」に現状を返信した。・・・
するとしばらくして「墨田区は全学校が帰宅困難者のために開放しているよ」と言う返信が来た。
私は運転手に降ろしてもらい、過去に仕事で記憶にあった小学校に向かった。・・・




つづく。



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